意外と複雑な線路を構成するレールの種類と役割

ほとんどの方が乗ったことがあると思われる電車。

その電車が走るために、車体の下にあるレールってどんなものなんだろうって、考えたことはありますでしょうか?

レールの役割って電車を走らせるため、車でいう道路みたいなものっていう感じだというのは、みなさんも思われるでしょう。

まさしく役割はその通りなんですけど、実はその役割を果たすためにレールには、何種類もの違う形状や材料があるんです。

レールの役割と形状、材料の違い

ちょっと専門的な説明になってしまいますが、

レールは、鉄道において輸送機関として、車両に安全で平滑な走行面を提供する線路の構成体であり、直接大きな車輪荷重を支えつつ、その車輪荷重を分散して、線路の保守管理を容易にすることを役割とする重要な軌道材料。

つまり、電車をレールという決まった場所を走らせることで、安全に目的地まで運ぶことができますよーってことと、

電車ってローカル線だと1両、長いやつだと15両編成とかあるんですけど、車両の重量って1両あたり20tもあったりするので、その重みをたった左右の2本のレールで支えて、その荷重をうまく分散させる材料なんです。

レールの重量による分類

重い荷重を支えるため、その荷重に応じてレールには、いくつかの種類があるのですが、

一般にレールは、単位長さ当たりの重量をその呼び名に読んでいます。

1m当たりの重量が50kgのレールだったら50kgレールという風に、

日本のレールだと30kgから37kg40kgN50kgN60kgレールの5種類に分類されています。

ちなみに40kgNと50kgNNという記号は、N型レールという規格のもので、PSレールというレールの形状を変えたものを言うそうです。

PSレールはこの後に説明しますね。

形式による分類

レールの断面形状の違いから、その形状を制定した組織の名称で、呼び名が分けられて分類されています。

①ASCE形レール

1890年(明治23年)に米国土木学会(American Society of Civil Engineers)で制定されたレールで、頭文字をとってASCE形レールと呼ばれています。30kg、37kgレールがそれに当たります。

特徴は、レールの高さとレールの底部幅が等しいというところです。

②PS形レール

1907年(明治40年)に米国のペンシルバニア鉄道が制定したもので、その頭文字(Pennsylvania Standard)をとってPS形レールと呼んでいます。呼び名は50PSまたは50kgレールとしています。

レールの頭部が大きくレール底部端が厚いという特徴から、急な曲線のカーブに対する摩耗や水が、抜けにくいトンネル内のレール腐食対策として長年使用されてきました。

③AREA形レール

米国鉄道技術協会(American Railway Engineering Association)が制定したもので、RE形と呼んでいる。

日本でも旧国鉄の時に50kg第2種として使用されたことがあるそうです。

特徴は、PS形レールに比べてレール高さは大きいが、レール頭部断面積が小さく摩耗に対する余裕が少ないことです。

④N形レール

1961年(昭和36年)に旧国鉄で設計し、制定されたもので40kgN50kgNの2種類があります。

もともとは30kgと37kg、50PSレールの形状を改良したものだそうです。

特徴は、

・レールの高さを高くして上からの荷重に対する抵抗力を強めたこと

・レールの局部に集中する応力を減らすため、上首部と下首部(いわゆるレールの頭と底部をつなげている腹部とのつなぎ部分)の曲率を大きくしたこと

・レールとレールをつなげるために継ぎ目板というものを取り付けるのですが、その方法がレールの腹部に穴をあけ、その穴にボルトを通して継ぎ目板で固定しながら、レールを長くしていきます。

そうすると、レールの穴をあけることによって、そこから傷が出来てレールが万が一割れてしまったときに、その被害を少しでも少なくするため、ボルト穴位置を変更し、その穴の径を小さくしてます。

・トンネルなどの腐食しやすい場所で使っていた50PSレールよりも、さらに腹部厚さを厚くして腐食に対する余裕を大きくしたこと

などがあります。

ちなみにレール底部の幅は、37kgと40kgNが同じで50kgと50kgNも同じです。

ただ、レールの高さがそれぞれ高くなっており、レールの高さを高くすることで断面2次モーメントという荷重に対する抵抗力が強くなっています。

このN形レールと同じ考え方に基づいて旧国鉄で設計されたものに、50kgTレールと60kgレールがあります。

50kgTレールというのは新幹線用に開発されたレールです。

⑤50kgTレール

東海道新幹線用レールとしてN形レールと同時期に旧国鉄で制定されたものです。

特徴は④のN形レールと一緒ですが、縦方向の剛性を大きくするなどして、50kgNレールより重量の増加と、腹部厚がさらに厚くなって腐食に対する抵抗力が大きくなっています。

⑥60kgレール

山陽新幹線(新大阪~岡山)に使用するレールとして1967年(昭和42年)に制定されて、それ以降新幹線のみでなく、在来線においても数多く使用されています。

50kgTレールに比べて重量や形状の大きさが大きくなっていることと、縦に対する抵抗力および横からの抵抗力に対しても大きくなっています。

ちなみに50kgNと60kgレールの高さは、それぞれ153mmと174mmとなっており、21㎜高くなっています。

底部の幅においては、127mmと145mmとなっており、18mm大きくなっています。

⑦特殊形状レール

現在使用されているレールは底面が平らなので平底レールと言われていますが、平底レールに至る前の特殊形状のレールとして、双頭レール、牛頭レール、魚腹レールと呼ばれる形状のレールもあったそうです。